男のイタリアン・テイスト

ミケランジェロの彫刻が、街のいたるところ雨ざらしです。


いくら裸体だからとはいえ、フィレンツェの彫刻はアウトドアが多いのです。


この街に限らず、イタリアの街はそれぞれ特徴のある古い芸術の中にあって、生活がその中に溶け込んでいます。


生まれた時からこの芸術が網膜に焼きついて育っているからこそ、古いものを消化して、新しい芸術やデザインが生まれて来るのかもしれません。


誰が始めたという訳でなく、ヨーロッパの若者の一部が今まで流行っていたタイトフィットの服を捨て、おじいさんの古いだぶだぶの服を面白がって着ていました。


そんな折、今をときめくジョルジオ・アルマーニもまた、1940年代のアメリカの背広を念頭においたともいわれますが、堅苦しさを省き、さらに独自の発想でウールクレーフのソフトな素材と、クレイッシュ・アースカラーを創作的に組み合わせて、ドレープのたっぷりとした柔らかいシルエットを打ち出し、世界のファッション界を驚かせ、一つの潮流をつくり出しました。


その流れは1980年代頃、若者に始まって美的自由業からエグゼクティブにまで受け入れられ、大ブームとなりました。


違いは色々あるものの、各デザイナーの作品には大きな共通点があって、今もこのルースシルエットは、イタリアン・テイストの中心です。


とはいえ、イタリアン・テイストの「時」は止まりません。


この間にもどんどん変化しているのです。

フレンチ・メンズはシンプル&エレガンスがテーマ 2

フランス国民は、パリジャンはというと、アメリカのアイビーを嫌い、ブリティッシュのコンサバティブも・・・嫌いです。


というわけで、いちばん身近に受けとめているメンズ・ラインはイタリアンでしょう。


いわば、イタリアンをベースにアレンジしたエレガンス・スタイルが、フレンチ・メンズのテイストといってもいいです。


さらにいえば、ブリティッシュをフランスのエスプリでぐつとソフトにしたものということもできます。


パリはオートクチュールのメッカ。


中でもランバン店は、早くからメンズのオートクチュール、「ランバン・タイユール」を始めています。


オートクチュールならではの素材選びでは、ブリティッシュ・テイストに近く、色づかいでは、ややイタリアン・スタイルで、より保守的といえます。


ただし、仕立てはしっかりしています。


もう1つのパリのエスプリ、「エルメス」店のメンズ・ラインは、エレガンス追求一辺倒。


多色使いのシルク・ネクタイをはじめ、シューズに至るまでトータルで展開、ダンディ憧れのメンズ・ブランドになっているが、もともとは馬具屋ということで、メンズ・スーツはがぜんスポーティなものが多いです。


メンズ・アイテムで最もフランス的なものといえば、各オートクチュール店がデザインしている、やや派手めのシルク・プリントのネクタイかもしれません。

フレンチ・メンズはシンプル&エレガンスがテーマ

メンズ・ファッションの国別テイストを解説する中で、いちばんやっかいなのがフランス。


モード王国のフランスは、あまりにもレディス・ファッションが強すぎて、メンズはどこかにかくれてしまったといってもいいくらいです。


そしてそのコンセプトも明確ではありません。


また、ブリティッシュとイタリアンの間にあって、両者のイメージがあまりにも強すぎて、フレンチ・テイストをはっきり打ち出せないでいるのかも知れません。


事実、この国で、というよりパリでメンズ一筋にがんばっているフランチェスコ・スマルト、ニノ・セルッティといったデザイナーズ・ブランドの大御所も、出身地は両者ともにイタリアです。


他のブランドは、レディス・ファッションを主とすれば、メンズ・ファッションは従の存在といった比重で手掛けているところが多いのです。

男の一流ブランド 3

ランバンの創業は1888年。


パリのオートクチュールの中では、いちばん古い歴史を誇っています。


婦人服だけでなく、紳士服も早くから手掛けており、1926年には他に先がけて、紳士服のオーダー・サロン「ランバン・タイユール」(タイユールはフランス語でテーラーの意)を、続いてシャツの仕立てサロン「ランバン・シミジェ」(シミジェはフランス語でシャツ仕立ての意)を開店しています。


何世紀にもわたってつくり上げられてきた、フランスのエレガンスをあらゆる商品に盛り込んでいることでも有名な店です。


スーツは、ややビッグな上半身と、ハイウエストな位置にある高めのボタン、ペプラム(裾ひだ)で強調されたウエストなど、1950年代調のクラシックなシルエットが特徴。


他に襟付きのウエストコート(ベスト)など、トラディショナルで、正統派の気品があるコレクションを毎シーズン発表しています。


また、ランバン・オリジナルのネクタイのなかでも「スペシャル・タイ」と呼ばれるヘビーシルクの織り柄タイは、エスプリに満ちており生産数も少なく、世のダンディの憧れの逸品となっています。

男の一流ブランド 2

エルメスの創業1837年、当時は王侯貴族のために馬車、馬具、旅行用品をつくっていました。


店名は、ギリシャ神話の"工匠"の神「ヘルメス」と同名。


パリのフォブール・サントノレ通りに本店を構え、今でも高級馬具をつくっており、馬術のフランス・ナショナル・チームの指定店だったこともあります。


最近はファッション商品にも力を入れており、メンズ・アイテムは、パリ・メンズ・コレクションで発表、注目されています。


スーツやジャケット、コートなどは、全体的にシンプルなデザインで、その基本となるのはクラシック&エレガンス。


襟、ウエストラインは、保守的なブリティッシュやアバンギャルドなイタリアンとはまったく異なった、フランス特有のウィットに富んだエスプリが表現されています。


また、昔から世界中のダンディたちに注目されているのが、独特のエルメス柄で有名なシルクタイ。


内側にボアン・ダレと呼ぶ絹糸がループ状に入っていて、何度か締めてゆがんだ縫い目が、端をちょっと引っぱると元にもどる仕掛けになっています。


他にも、シルクプリントのベストや、シルクプリントを裏地に使ったレザーブルゾンなど、フランス風エレガンスを象徴する製品が多いです。


バッグやベルトなどの皮革製品は、馬具づくりで培ったサドルステッチ(鞍縫い)のテクニックを生かし、手づくりの気品を秘めています。


ロンドンのジョン・ロブ社の流れをくむ靴は、おしゃれなエグゼクティブに隠れた人気となっています。

男の一流ブランド

男の一流ブランド、フランチェスコ・スマルト。


南イタリア生まれのフランチェスコ・スマルトがモードの世界に入ったのは9歳のとき。


祖父や叔父が服づくりの職人という環境から、カッティングなどの基礎技術をたたき込まれたといいます。


21歳でパリに出て修業を積み、32歳のとき独立。


1972年にオートクチュールのブティックをオープンし、紳士服専門のオートクチュールはパリでは珍しかったので注目を集めました。


彼の服づくりのコンセプトは"軽快に着られる服"。


つまりスーツでありながらカシミヤのセーターを着たときの着心地と軽さ、いつの時代にも合うモダンな感覚と質のよさが特徴です。


彼は、服を軽くするためにそれまで服づくりに必要とされていた芯地と肩パッドを外してしまいました。


それには高シンプルで美しいバックルがフランスの粋を表現しているベルト参考商品度なカッティング技術が必要でしたが、彼はスマルト・カットと呼ばれる独自の技術で成功します。


自然素材中心の服地を使って、神経の細やかなカットや縫製の技術でつくられるスマルトの服は、イタリア人のデザイン感覚と、エレガンスを大切にするフランス人の好みがみごとな調和を見せるフレンチ・コンサバティブ。


1990年、フランス政府よりレジョン・ド・ヌール勲章を受章しています。

日本のカリヨン・・・その4

北海道秩父別町・開基一〇〇年記念塔
(スイング・ベル一鐘)

"鐘のなるまち・ぢっぶべつ"、北海道秩父別町が開基一〇〇年を記念して、一九九三年に記念塔を建てられました。

その記念塔に、重量一一・八トン、直径一、六六〇ミリメートルの日本最大級の鐘(スイング・ベル)が設置されています。

一兀々秩父別は鐘との縁が深く、町のパンフレットには、「本町の歴史は鐘の音で始まりました。

明治二十八・二十九年屯田兵が北辺の警備と開拓の任務をもって本町に四百戸入植しましたが、屯田の鐘は明治二十八年、屯田兵第二中隊本部にとりつけられ、訓練に励む屯田兵や開墾にいそしお人たちに、時を知らせたり、非常招集に使われるなど人々へのやすらぎや、遠くふるさとを離れて開拓にはげむ人々の士気の高揚に大きな役割を担っていた」とあります。

この屯田の鐘は、町の郷土館に展示されています。

日本のカリヨン・・・その3

北海道清水町・清水中央公園ハーモニー広場他
(カリヨンニ四鐘&からくり)

北海道南部の清水町は、雄大な日高山脈のふもとに広がる人ロ一万人あまりの小さな町です。

町民合唱団の歌声が響く、ベートーベンの「第九の町」として知られてきたが、最近は日本でも屈指の"カリヨンの町"としても名を馳せています。

現在、この町の五か所にカリヨン、スイング・ベルが取り付けられています。

代表的なのが、一九九三年に設置された清水中央公園ハーモニー広場のからくり時計塔です。

町花スズランをイメージしたモニュメントで、四本のポールに六鐘すつ、計二四鐘付いています。

一日四回、季節によっていろいろな曲を奏でます。

また、別の定時には、べートーベンの「歓喜の歌」をアレンジしたオリジナル曲の演奏に合わせて、町鳥ウグイス、指揮者、コーラスの合計九体の人形が登場し、合唱します。

さらに、曲に合わせて噴水の高さが変化する仕掛けになっています。

日本のカリヨン・・・その2

北海道岩内町・マリンパーク
(銀箔のカリヨンニ四鐘)

北海道は、ヨーロッパに気候も風土も似ている。

そんな北海道に、鐘やカリヨンはよく似あいます。

オランダのアステンにあるロイヤルアイズバウツ社の、一二〇余年にわたる鋳造技術から生まれた二四鐘のカリヨンが、一九九〇年に港町岩内のマリンパークに設置されました。

そのステンレス製モニュメントは、日本海を見下ろすように立てられています。

このカリヨン・モ一一ユメントは噴水仕掛けにもなっていて、夏にはその周りで、子供たちが水しぶきを上げながらたわむれています。

イカ釣りの時期には、岩内港に停泊している各イカ釣りの時期には、岩内港に停泊している各イカ釣り漁船に取り付けられた数百個の電球の玉と、モニュメントの24個の鐘とが、不思議なマッチングを見せてくれます。

日本のカリヨン・・・その1

北海道紋別市・道立オホーツク流氷科学センター
(カリヨン12鐘)

オホーツク海に臨む"流氷の街"紋別市に、流氷研究都市建設の一環として流氷観測拠点シンボル・モニュメントが設置されたのは、一九九一年のこと。

オホーツクを目の前に、細長く削り取った氷片のようにそそり立つステンレス製のモニュメントに、カリヨン12鐘が取り付けられています。

カリヨンが演奏する曲も「冬景色」、「ともしび」、「ペチカ」など北国を思わせるものが多いです。

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